決算がスムーズに進まないことについて、日々考えられている方もいらっしゃるかと思います。
前回、担当者の力量アップやシステム化を考える前に、「タスクに名前をつける」さらに「タスク進捗管理表を作成する」重要性についてお伝えしました。
今回は、オペレーションのやりくりを行うべく、業務全体の動きをスムーズにコントロールするためのもう一工夫についてお伝えできればと思います。
ここでの結論は、業務の状況をチーム全体に向けタイムリーにアナウンスや共有し、牧羊犬のようにチーム全体をナビゲートしていきましょう、ということです。
Mary Bettini BlankによるPixabayからの画像
状況をアナウンス・連絡する重要性
業務の状況についてアナウンスや連絡する重要性をお話したいと思います。
「業務の状況をアナウンスや連絡する」とは、マネージャー自ら、業務全体の進捗をメンバーに伝え、今どのあたりを自分たちが歩いているのか、何が遅れているのか定期的にメンバーに伝達・共有することを意味します。
伝達の仕方はメールでもかまいませんが、タイムリーで簡単に伝達できる「チャットツール」を活用するのが望ましいです。
「牧羊犬」のように振る舞うのがマネージャー
では、なぜ進捗状況についてのアナウンスや共有が必要なのでしょうか。
まず、業務を行っている各メンバーは、自分が今どこを歩いているか、霧の中をさまよう状況にあるといえます。
特に、自分の事だけに集中しがちですので、全体の動きに注意がいかない、あるいは、そもそも関心を持ちません。
自分が今どこにいて、一体どこを歩いているのか、あるいは、チームはどこへ向かっているのか、さらに、何のタスクが遅れているか、それらを定期的にメンバーに伝えることが必要です。
また、チームの中では、メンバーごとで仕事が早い遅い、あるいは要領の良し悪しなど、どうしても「ばらつき」が生まれてしまいます。
アナウンスや情報の共有を通じ、遅れているメンバーに対し、必要なタスクを急ぐよう伝えられますので、メンバーの「ばらつき」を解消するよう促す方向に働きます。
ある意味、メンバーを煽ることになりますが、状況を的確知らせ、チームメンバーが道に迷うことが少なくします。
結果として、チーム全体のパフォーマンスをより効率的させることが期待できます。
進捗状況のアナウンスや共有、煽りは、あたかも羊の群れの周りをワンワン走りながら群れを追う「牧羊犬のイメージ」をもって頂くのが良いのではないかと思います。
メンバーに対する敬意と感謝を忘れてはなりません
ただし、チームのメンバーは羊のような動物ではありません。同じ仕事をする仲間ですので、メンバーに対する敬意が特に必要です。
特に、メール等でテキストだけで伝えると、どうしても直接的でドライになりがちとなり、表現がきつい印象をメンバーに与えてしまいます。
ですので、できるだけ丁寧にかつ端的にメッセージを伝えることがポイントです。また、チャットなら顔文字や絵文字を使うのも効果的でしょう。
牧羊犬のように単純にワンワンわめけばよいというものではありません。適切なタイミングで、牽制し、促していくことが必要です。
例えば、ある時間や期限で区切って、定期的に、現在終わっているタスクは何で、遅れているものはどのタスクか、丁寧な箇条書きで事実を伝えるようにしましょう。
さらに、タスクが終了した担当者には、できるだけ「ありがとうございます」の感謝メッセージも発信することも効果的です。
話はやや変わりますが、経験的に、この「ありがとう」が効果的です。メンバーに対する「ありがとう」を言うか言わないかで、メンバーの士気が異なってきます。
プロジェクトやオペレーションにおけるポイント、ポイントごとで、進捗が進んだ担当者やパフォーマンスが良い人に、「ありがとうございます」の感謝メッセージを伝えたいものです。
また、遅れているタスクを伝える際には、できるだけタスク名のみを伝えるようにして、そのタスク名の「担当者名」はできるだけ表には出さないよう心がけたいものです。
メンバーの名前を他のメンバーにも見られるように出してしまいますと、そのメンバーのプライドも傷つけてしまう可能性があり、後々トラブルにもなりかねません。
トラブルになってしまえば、チーム運営にも支障をきたすので注意が必要です。
ただし、それでも進捗で改善が見られない場合は、その担当者に向けダイレクトメッセージで確認をとる他、最終手段として、担当者名を出すことで、進捗を確認していくことも重要です。つまり、伝え方の使い分け方は、臨機応変に使い分けしていきたいものです。
繰り返しにはなりますが、メンバーは人間ですので、間違っても思い通りにならない時に感情的になることや、ある特定の人のせいにするような発言するのは慎しむほうが良いしょう。
後々、パワハラにとも言われかねません。むしろ、丁寧に紳士的に伝えた方が、チームのパフォーマンスが高まるのが個人的な印象です。
「【決算早期化】オペレーションをスムーズにするコツとポイント」のまとめ
羊の群れをまとめるために牧羊犬が走り回る。
マネージャーとは、牧羊犬が緑の草原を走り回るように、チームのメンバーの間の動きを見守り、定期的に進捗状況や遅れについて、情報をチャットツールで実況中継し、チーム全体をナビゲートしてみましょう。
きっとオペレーションがスムーズに進むようになるはずです。
効果的にチャットツール等を活用し、是非、チームを望ましい方向に導いていきたいものです。