決算業務をスムーズにするために、タスクの分解や整理はどうすべきか?
決算早期化には、プロジェクトマネジメントの考え方や知恵を活用していくことが重要と、キリオは考えています。
決算早期化を実現する中で、プロジェクトマネジメントのエッセンスを、キリオは取り入れるべく努めてきました。
しかし、キリオはIT関係ではありませんし、プロジェクトマネジメントを正式に習った経験もなく、すべて本を読むなど独学でした。
ただ、せっかく習得した知識も十分ではないのではという思いもあり、あらためてプロジェクトマネジメントを学んでみようと、Udemyの講座「【超入門】プロマネが教えるタスク・スケジュール作成の基礎」を受講してみました。
今回、「タスクの洗い出し」について、コツや注意点等の気づきがありました。
決算早期化を実現したい経理担当の方、タスクの洗い出しをどうすればよいか迷われている方に向け、「【超入門】プロマネが教えるタスク・スケジュール作成の基礎」の一部をご紹介しながら、タスクの洗い出しの留意点やコツを共有できればと思います。
- プロジェクトを円滑に進めるには、「タスク分解」が必要です。
- タスク分解の留意点は、「ヌケモレダブリなく」行い、「把握しやすい単位」にまで具体化することです。
- 分解したタスクについては、内容等を明確に定義することがとても重要です。
スケジュールを立てるにはタスクの分解が必要
英語で「タスク」(task)とは、与えられた任務や課題、一定期間内に終えるべき仕事や職務、重要な役割・目的を意味する単語です。
「【超入門】プロマネが教えるタスク・スケジュール作成の基礎」では、「タスク」の定義を、プロジェクトで「やるべきこと」、やるべきことの「行動」としています。
では、プロジェクトにおいて、なぜタスクの分解が必要なのでしょうか?
プロジェクトには、いつからいつまでに行わないといけない「スケジュール」(予定)を持っています。
スケジュールを立てる目的とは、「いつ何をするのか」を整理し、「実績の把握」と「今後の対応を検討」できるようにすることであり、「タスクの分解」が重要な意味を持ちます。
タスクは「ネケモレダブリなく」適切な粒度に分解
物事がスムーズに進むかどうかは、プロジェクトを構成する「タスク」を「ネケモレダブリなく」洗い出すことにつきるといえるのかもしれません。
タスク分解の留意点は、「ネケモレダブリなく」タスクを洗い出し、「把握しやすい適切な粒度」にまで具体化・分解することです。
把握しやすい適切な粒度にする目的は、タスクをできるだけ小さくすることで、やらなければならない事を細かい単位で明確に把握でき、物事が管理可能となるからです。
タスクの分解の具体例
「【超入門】プロマネが教えるタスク・スケジュール作成の基礎」では、タスクの分解例として、カレーライスの作り方で、二つのパターンを紹介しています。
「手順」から「手順」に着目してタスクを分解する方法
「モノ」から「手順」に着目してタスクを分解する方法
タスクの分解方法は、上記の2例のとおり、いろいろな形が考えられます。
どこまで分解するか人それぞれであり、必ずしもこれが絶対正解はありません。
タスクの分解には、プロジェクトの本来の目的に従って切り口を使い分けられるよう、「モノ」や「手順」等の引き出しを増やすことが求められます。
要するに、タスクの分解は、プロジェクトの目的に立ち返り、ヌケモレダブリなく、適切な粒度でアクションできる単位で具体化できれば、分け方が正しいのかどうかについて悩む必要はありません。
また、タスク分解を「決算業務」に落とし込むならば、カレーライスの例で示したように、ゼロベースでタスクを分解する必要はあまりないかと思います。
あくまで、決算早期化とは、既存の決算業務のタスクを捉え、いかに整理するかですので、既存の決算処理項目について実務に携わるメンバーに基本的には洗い出してもらうことになります。
タスクの洗い出しについては、以下の記事もご参照ください。
タスクの内容を定義することが大切
分解され出されたタスクは、タスクカード等を使って、内容をそれぞれ定義・確認していきます。
タスクカードを使って、タスクの内容を定義するポイントは、以下のとおりです。
- タスク名
- ゴール
- 先行タスク
- 成果物
- 必要期間
項目 | 定義すること/確認すること | 起こりえる問題 |
タスク名 | 「名は体を表しているか」
つまり、タスク名がタスクの実体を表しているか、そもそもよく確認する必要があります。 |
タスク名があいまいだと、何の作業なのかメンバー間の認識が合わなくなります。
タスクの認識が合わないと、この作業て何だっけ?と毎回毎回、メンバー同士で話し合わなければなくなり、余計な時間や労力をとられます。 |
ゴール | タスクの完了基準(条件)を定義します。
どうなれば、タスクは終わるかゴールを確認しておきます。 |
ゴールが不明確だと、何ができていればタスクが終わるか、プロジェクトリターダーとメンバーの認識が合わず混乱します。 |
先行タスク | 依存関係にある先行タスクが何かを定義し、確認します。
先行タスクに制約事項がある場合は、あらかじめ内容を確認しておきます。 |
先行タスクを事前に確認しておかないと、いざタスクを始めようと思っても、実際に作業をスタートしてよいか分からず、タスクが進められないことに気がつくことになります。 |
成果物 | タスクを実行した場合、どのような成果物があるかを定義します。
ただし、必ずしも成果物がないタスクもあります。 |
どんな成果物があるのかが定義されないままでいると、イメージとちがう成果物が出てくることになりかねません。
また、担当者が代わった場合、同じ成果物が出てこない可能性も生じ、あれ?このタスクは資料が必要なんでしたっけ?という混乱にもなりかねません。 |
必要期間 | タスクにはどのくらいの作業期間がかかるのか定義します。 | 必要期間を見積もらないまま開始してしまいますと、いざタスクを始めたもののスケジュールどおりに終わらないことになりかねません。
また、必要期間が見積もれない場合、タスクが適切な粒度で分けられていない可能性があります。 あらためてタスクの適切な粒度を確認する必要もあります。 |
キリオの経験で申しますと、決算業務において、「タスク」の分解は何ら問題ありません。
今までやってきたことは、それほど間違いではなかった印象です。
しかし、「ゴール」や「成果物」まで徹底して確認できていたか?は、反省が必要と感じています。
例えば、今までなら「ゴール」や「成果物」までを明確にしなくとも、言わなくともわかるでしょ的な、ある種の甘えもありました。
しかし、「ゴール」や「成果物」が明確でなければ、担当者が代わった場合など、今までの「当たり前」が同じクオリティで必ず実現される保証はありません。
「ゴール」や「成果物」の確認は、今後の改善点につなげられると感じました。
「プロジェクトを円滑に進めるタスク分解に必要な5つのポイント」のまとめ
この記事では、タスクの洗い出しに必要なことについて、Udemyの講座「【超入門】プロマネが教えるタスク・スケジュール作成の基礎」の一部紹介する形で述べてきました。
タスクの分解の留意点は、「ヌケモレダブリ」なく、「適切な粒度で把握しやすい単位」でタスクが具体化されていれば、どのように分けるかは特に違いはありません。
さらに、重要なことは、分解されて出てきたタスクについて、「タスク名」「ゴール」「先行タスク」「成果物」「必要期間」を、誰もが分かるよう、明確に定義していくことです。
キリオもタスクの洗い出しの重要性は理解していたつもりでしたが、もう一歩踏み込めましたので、受講は大変勉強になりました。
これからタスクを洗い出そうとされている方は、この記事を参考に決算業務のタスクを分解・整理をしてみてはいかがでしょうか。